2013年面白かった映画10本

昨年もいろいろと映画を見ることが出来た。マンガ読みつつ映画鑑賞に耽るのも自分の生活の一部となっているので、毎週日曜に映画館に行くのが当たり前になっているから不思議。映画鑑賞数はぴったり100本。まあ、つまらん前口上はともかく、早速昨年・2013年の個人的に面白かった映画10本を紹介しよう。
そして父になる
是枝裕和監督。はい、傑作です。どう転んでも素晴らしいです。好き嫌いはあれど、これを優れた映画として評価できない映画人は恥じ入るべきでしょうと素人が知った風な口を利きたくなるくらい、素晴らしい映画だった。前作の「奇跡」でも子役の演技が素晴らしかったが、今回はまた一段と素晴らしい。素晴らしいしか言ってないけど、ホント、それしか言いようがない。
 特別に派手な演出もないし音楽でわかりやすい状況説明もない。でも、これが映画なんだよなぁ。映像で語る。これが大ヒットしたのも正直嬉しい。もちろんテレビによる宣伝効果はあるし、主演の知名度もあるんだけど、映像で語る・モノローグじゃないよ、映像で語る、これが映画の基本なんだよね。
 一つ気付いた点を挙げれば、主人公の良多が群馬に行く・東京に帰ってくる、という映像表現。画面の端から端へ(右から左だったっけ?)に車が進む場合は良多が東京から群馬に行く、その逆が帰るというの基本があるんだけれども、これが曖昧になるシーンが2シーンある。良多の妻のみどりが電車で帰ってくるシーンでは、息子の慶多と一緒にどっか行こうかと呟くところ。まあ電車内だし。一番重要なのがラストで、良多が群馬に行くシーン。育てた息子か、血の繋がった息子か、どちらを選べば良いのか迷っている感じが、車窓からの景色(画面の手前から奥に向かっていくような感じ)に反映される。今までの端から端に車が走るシーンだと、帰ってくるという映像が想像されるけど、それを曖昧にすることで主人公の揺れる気持ちを表現するのだ。
 まあともかく、もう一度じっくり鑑賞して、映像で語るということの意味を考えたい映画だ。ホントに素晴らしい映画だぜ。
もらとりあむタマ子
山下敦弘監督。山下監督と向井康介脚本もコンビもすっかり安定したなぁ。まあ個人的に向井脚本はちょっと気に喰わないところもあるんだけれど、やっぱ面白いもんは面白い。前田敦子主演ということで色眼鏡で見られている節もあるし、前田主演を活かした話の展開もあるんだけれど、とにかく面白い!!何か起きそうで起きない、けど、確実に何か起きている。そればかりか、ぐうたら娘のしょうもない日々かと思いきや、父にとっても……という発見がまた面白い!! 笑いあり笑いありくすくす笑いあり。DVD即買い決定の映画だ。
シュガー・ラッシュ
2013年の映画は「そして父になる」と「シュガー・ラッシュ」になると思ってたところに飛び込んできた「もらとりあむタマ子」と「ゼロ・グラビティ」だったわけだが、「シュガー・ラッシュ」の高値安定っぷりを忘れてはならない。ストーリー展開、キャラクター設定、伏線、ラストの爽快感と安堵感。終始なんの惑いもなく鑑賞することができる傑作だよ。
パシフィック・リム
ギレルモ・デル・トロ監督、ありがとう!!そして、ありがとう!!
「凶悪」
ぶっこむって言葉が個人的にはまった一本。正義感溢れる雑誌記者が段々と犯罪者と変わらない風貌になっていく。もちろん殺人者にいくら家族がいようが殺人は殺人なわけで、彼らの凶悪っぷりは揺るがないんだけれど、雑誌記者(つまり私たち)の秘めたる凶悪性をシンプルに暴いてくれる。リリー・フランキーが怖えー。
ゼロ・グラビティ
シンプルな主題をこれでもかと突きつけてきて、不安に次ぐ不安に包まれてしまう。映画館で観てこそ価値がある一本。あの心地よい浮遊感があっという間に絶望感に変わる、一人の女性の生まれ変わる物語。
「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語」
愛が重い。
「ばしゃ馬さんとビッグマウス
「コンプレックス・エイジ」の感想でも触れた映画だが、安定の吉田恵輔監督作品。今年はこれに加えて「麦子さんと」もあるけど、やっぱり「ばしゃ馬さん」が段違いに素晴らしかった。
「俺はまだ本気だしてないだけ」
マンガ原作映画から一本。2013年は「コドモ警察変態仮面」そして「俺はまだ本気だしてないだけ」と撮りまくった福田雄一監督だが、橋本愛が出ている分、「変態」より「俺まだ」を推す。
言の葉の庭
新海誠監督。雪野さんが全て。
以上、10本。正直、10本に絞るのは難しかったが、まあ、これで2013年の映画締めということで。今年もたくさん映画観るよ〜。