2007年面白かったマンガ10

2007年面白かったマンガ10
 今年は「げんしけん」長文にはじまって少女漫画中心の感想文に終わった一年だった。それでもさらに「フラワー・オブ・ライフ」「さよなら絶望先生」と2つの長文も書き、更新頻度は置いといて、一つの作品を集中的に読みふける日々が多かったなー。今年の後半はマンガ原作映画もあんまり観ることなく(そもそも需要ないんだよな、このレビュー)、普通に面白かった映画の感想をブログでつらつらと書き散らす感じになり、来年はもっとそうしていくつもりである。
 面白ければ感想を書いてしまうので、だいたい作品別感想を眺めれば今年のベスト10は決まりそうなもんなのだが、今年はそうでもなかった。今年になったようやく読み始めた作家も含めて、まだまだ私が語るには知識も教養も足りないので、差し控えた作品もある。個人的には、ろびこ西炯子最富キョウスケとの出会いが大きい。ろびこは単行本がまだ2冊なので、これを読み込めばまだまだ語れる余地はありそう。個人的には大ブレイクしているんだが、なんかマンガレビューサイト界隈ではほとんど話題になっていないので、他の作品の感想文も書いて少しでも布教していきたい。
 というわけで今年のベスト10作品

よしながふみフラワー・オブ・ライフ
 長文も書いたせいか、多分、今年一番多く読み返した作品かもしれない。で、ちょっと読み返すたびについつい読みふけってしまうという有様だったので少しずつ書いていったんだよな。みんなが普通になっていく、あるいは今のままでいいんだよ・特別になる必要なんてないという優しい視線と、余白を生かした演出が素晴らしかった。感想はこれhttp://www.h2.dion.ne.jp/~hkm_yawa/tyoubun/fol.html

安永知澄「わたしたちの好きなもの」
 河井克夫上野顕太郎しりあがり寿がそれぞれ原作に付いた作品集。安永知澄の大胆な演出は健在。感想はその中の一編「ちぬちぬとふる」があるねhttp://www.h2.dion.ne.jp/~hkm_yawa/kansou/tinutinutohuru.html

緑川ゆき夏目友人帳
 堅調。ゆっくりだけど、物語は着実に動いている。来年も贔屓するよ。

志村志保子女の子の食卓
 これも堅調。20頁足らずで毎回物語の起伏を作り上げ、人生の分岐点を描き切る力量に感嘆しっぱなし。すごいなー。

ろびこ「ボーイ×ミーツ×ガール」
 というわけで、ろびこ作品。どれもこれも外れなしの短編集。特に「マサムネくんのススメ」は安心してお薦めできる。感想はこれでもhttp://www.h2.dion.ne.jp/~hkm_yawa/kansou/masamunesusume.html

小玉ユキ「羽衣ミシン」
 「光の海」と並んで、今年のこの手の企画には必ず挙がる作品だよね。絵の魅力も大きい。http://www.h2.dion.ne.jp/~hkm_yawa/kansou/hagoromo.html

ツジトモ(画) 綱本将也(作)「GIANT KILLING
 「ラストイニング」同様にもっとも続きが気になるマンガ。監督物はこのくらい破天荒でないと燃えないよな。

西炯子ひらひらひゅ〜ん
 これで西炯子を知った。ブログで薦めてくれた方、ほんとにありがとうございます。おかげさまでSTAYシリーズ全巻購入してしまいました。めちゃくちゃ楽しい。

あらゐけいいち「日常」
 あー、私にもっと教養があればなー。語るべき言葉をまだ持っていない。いや、なんも考えなく面白く読めるんだけど。

くらもちふさこ「駅から5分」
 1巻でもう傑作。キャラクターの感情が描線に宿っている。

 なんか毎年変わらない作品がそろっているけれども気にしない気にしない。所詮は下世話な感想・レビュー、そんな大それたものではないし。マンガ家あっての読者ですから。
 それでは、全漫画家に最敬礼! 今年もたくさんの面白いマンガを読むことが出来ました、本当に心から、ありがとうございました!