2007年面白かった映画10本

2007年面白かった映画10本
 今年は70〜80本くらい観たと思う。前回の日記に漏れがなければ75本か。年末にも観るつもりだからそれで80本越えるかもしれん。9月くらいまでは、このままなら年100本超えそうな勢いで鑑賞していたが、10月以降の同人誌作りなんかで失速、結局こんくらいに落ち着いたけれども、まあ観たい映画だけ観るっていうのを貫徹しきったのでよしとしよう。おかげでつまんなくても、選んでしまった自分が悪いと思えるし。
 で、今年はほんとに地元の映画館ががんばってくれて、私としては感謝感激、例年なら上映の可能性すら考えなかった単館系の作品が2か月3か月の遅れがあるとはいえ上映される機会が数年前に比べて格段に増えたのである。こりゃ積極的に地元で観ざるを得ないよ。それでも観たいもんは東京に行ってまで観ちゃうんだけど。
 で、今年面白かった映画10本を列挙。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」
監督:庵野秀明(総監督) 鶴巻和哉 摩砂雪  脚本:庵野秀明
 いやー、これほどヒットするとは。これ、初日が映画の日で、東京じゃあるまいし、どうせ客なんてたいしてこないだろって劇場に行ったら満席で入場できなかったんだよな。おかげで翌日の朝一に観ることになったんだけど、それでもほぼ満席。びっくり。で、この手の現象は初日と次の日の休日限定って感じの印象なんだが、この映画は翌週も翌々週も客入りが好調だったっけ。
 もちろんヒットした云々に関わりなく、とてもわくわくした映画だった。私は特別エヴァに思い入れがあるわけではないんだけど。早くソフト化しないかな、BGM代わりにしたい。

サイドカーに犬
監督:根岸吉太郎  脚本:田中晶子 真辺克彦
 竹内結子、良かったねー。感想はここに書いてた→http://d.hatena.ne.jp/y-shirabyoushi/20070702

河童のクゥと夏休み
監督・脚本:原恵一
 泣きを期待して見事に泣かしてくれる。ベタベタな展開の中に予想外の別れを用意する。コンビニの長い待ち時間がひょっとしたら……という期待を煽る。それは主人公の康一少年と同じ気持ちのものだった。知らず彼と同化していた観客は、彼と同じ感情を体験するのだ。
 何気に西田尚美が声で好演。

赤い文化住宅の初子
監督・脚本:タナダユキ
 マンガ原作映画を語るなら絶対に外せない一本。原作知らずとも当然面白い。感想はここ→http://d.hatena.ne.jp/y-shirabyoushi/20070520

アヒルと鴨のコインロッカー
監督・脚本:中村義洋
「ルート225」の中村監督がまたやってくれた! 期待を裏切らない面白さ。本屋襲撃から始まる椎名の奇妙な日々。キャスティングさえネタバレの恐れがあるのが唯一の欠点かも。「ディラン?」

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
監督・脚本:吉田大八
 佐藤江梨子のはまり役。感想はこれ→http://d.hatena.ne.jp/y-shirabyoushi/20070708
 でも、一番は永作博美。いつの間にこんな存在感のある役者になっちゃったんでしょう。

「古奈子は男選びが悪い」
監督:前田弘二 脚本:高田亮/前田弘二
 第10回水戸短編映画祭グランプリ受賞作品。50分。普通に劇場公開作ばかり選ぶのもつまんないので、ちょっと変化球を。
 水戸短編映画祭の受賞作品上映がテアトル新宿であったんだけど、上京した折、偶然ふらりと寄ったんだが、そこで上映されていたのがこれだった。上映前に審査員の一人の宮台真司氏が登壇して少ししゃべってたけど、そこでなんでこれほどの映画がこの映画祭に? と不思議がるほどの出来である。
 古奈子に彼氏とばかりに親友の美樹が古奈子の部屋に男友達を集める。しかし、やってくる男達はどいつもこいつも……。古奈子がデート相手に選んだ男にもびっくりだが、デート中に起きるばかげた出来事や美樹の男癖といい……50分という短さを感じさせない濃密さである。ソフト化してほしいなー。

「転々」
監督・脚本:三木聡
 三木聡監督ってなんかすっかり面白い映画を撮る人って認識が私の中に出来つつある。この映画は主演のオダギリジョー三浦友和の好演があって、それと吉高由里子ね。物語もそうだけど、キャストの使い方が最高だよなー。石原良純(笑) ふせえり岩松了のショートコントも健在、今回は松重豊が加わってくだらないバカ話が物語と微妙に絡みつつも、しんみりした物語の合間に描かれる。岸部一徳(笑) 図鑑に載ってない虫も見とけばよかった。

キサラギ
監督:佐藤祐市 脚本:古沢良太
 まあ今更語るまでもないかもしれん。多分、今年のあまたのベスト10で必ず挙げられると思われる一作。DVDは1月に出るようだ。

天然コケッコー
監督:山下敦弘  脚本:渡辺あや
 今年一番はやっぱりこれ。素晴らしい。傑作。ラストシーンで物語の世界観・雰囲気・その後の展開などすべてが回収される静かな教室、それを照らす日差し、風に揺れるカーテン、そして、それを優しく眺めるそよ。感想はこれ→http://d.hatena.ne.jp/y-shirabyoushi/20070729