五十嵐魂

 最近読んで気にかかっている漫画のひとつがオノ・ナツメ「LA QUINTA CAMERA」、タイトル読めない、ラ・クインタ・カーメラ。 何が気になっているかと言うと、いや、その前に簡単に感想を述べると、面白かったんですよ、アパートの一室に同居する四人の男たちとそこに下宿する人々のほんわかした交流をデフォルメ効いた造形のキャラクターに演じさせ、地味だけど心に残るお話だったんだが、読んでいるうちに、舞台が霧散してくるのである。これは作者の最後のあとがきで決定付けられるんだけど、まずね、アパートなんだけどほとんど他の住民が登場しないわけ。全然出て来ないのかな。アパートってものがどこにあるのかもわからない。周りの環境が見えないんだよね。だから町の中を歩いていても、どこをどう歩いているんだかわからないし、舞台たるイタリアの景色ってものが全く見えないのが不満になってきたのである、あとがき一部引用「このマンガを読んでイタリア行きたいなー、留学したいなーと思ってもらえたらすごく嬉しい」、どこにイタリアがあったのかな。あの、面白かったんだよ。このマンガを読んでイタリア行きたいなんて全く思わないけど、オノ氏の次回作は読みたいのだ。うん、だから風景ですよ、風景の中の人々のたたずまいってものが感じられない。イタリアといったら連想されるような町並みの描写に乏しい。ちょっと残念。これについては後日まとめて詳しく書く。ここで書くか、本サイトで書くかは文量次第。なんか、イタリアの景色に馴染んでないんだ、この人のマンガ。58頁1コマ目なんて感じでてるんだけど、続かないんだよな。基本的に地味なんで、ありきたりな演出ないし、盛り上げるような展開も見せないから、これはこれでいいのかな。また無駄に深読みしてみるか。「GUNSLINGER GIRL」の方が素直にしっくり来る。あー、イタリアっぽいよなこれって。